散歩に陶器にサボテンに。

散歩は小さな冒険だ

それは今まで知らなかった道だったり、見たことのなかった街並みだったりと。

時には新たな出会いが生まれたり。小さな冒険は私を少年にしてくれる。

初めて訪れたはずの中央線沿いにあるさびれた商店街は少し懐かしさを感じる。

街はずれにあるマンションをふと見上げると、そこには小さな陶芸教室があった。

螺旋階段はちょっぴり怖い。階段を上っているはずなのに何者かに地面に向かって引っ張られている感じがするからだ。

小さな冒険には出会いがある。陶器で出来たびびっとなマグカップだ。

陶器で出来たマグカップを両手で優しく包む。初めてだった。

「可愛いですよね」少し離れたところから声をかけてくれた彼女は楽しそうに会話を続けた。

頷く私。陶芸のことはよくわからなかったが、楽しそうに会話する彼女を見ていると自然と幸せな気持ちになった。

すっかり気分の良くなった私は帰り道も小さな冒険へ出かけることに。

最寄り駅を抜けて裏路地の曲がり角にある小さな街の花屋。ひとめぼれだった。

偶然なのか必然なのか定かではないが、幸せな時間だったことには間違いない。

散歩に陶器にサボテンに。

花言葉は「枯れない愛」